山形の県魚サクラマス、食べ方はあんかけ?実はヤマメと同じ?
こんにちは、スタッフ渡部です。
宮城から山形に嫁ぎ、驚いた食文化のひとつが「あんかけ」^^;
『サクラマスのあんかけ』は、山形県庄内地方ではお祝いの時の馴染みの料理で、ゆで卵に生姜、ほうれん草を添えたり、麺はそうめんのこともあります。
庄内人はとにかく「あんかけ」(みたらしあんみたいなものをご想像ください)が一つのごちそうのようで、色々なものにあんがかかってくることが多いです。
見るとびっくりするのですが、食べてみれば思いのほか美味しい。(でもまだ見慣れません。)
あんかけ同様「サクラマス」も、山形県人にとっては春の訪れを教えるとともに大事なごちそう。
実は、サクラマスは川魚のヤマメと同じ魚なのを知っていましたか?
川魚のヤマメの一部が、海に出てまた川に戻ってくる。この海に出て戻ってきたヤマメがサクラマス、別名本マスとも呼ばれます。ヤマメの体長は20~30cmで細身なのに対し、40~70cmもあり丸々としたサクラマス。元々は川魚なのに、海水に対応するため、大量に成長ホルモンが分泌されて大きくなったのではとも言われています。
春先になると、産卵を控えて脂がのったサクラマスが山形県沖にやってきます。このサクラマスを目当てに、釣り師がこぞって集まるのが毎年の春の恒例ニュース。しかし近年では漁獲量が減少しており、釣り師の間では幻の魚と言われるのだとか。
ちなみにサクラマスは山形県の県魚です。1992年3月、山形県の自然をイメージさせる10種類の魚から県民投票により決定したそうです。山形県人なら誰しもが知る特別な魚なんですね。
上記ではあんかけをご紹介しましたが、清川屋では味噌粕漬をご用意しています。
脂の乗りがいい2㎏サイズのサクラマス(2kgより小さいと脂の乗りが悪いらしいです)を切り身にして、味噌粕をぬった和紙で魚をはさみ、7~8日間味を浸透させます。そうするとゆっくり味が染み込むので塩辛さが抑えられてマイルドな旨味に変化するそうです。あと、切り身に味噌粕が付いていないので、焼くときに焦げ付きにくいのもいいですね。
味噌は「おたまや(米沢市)」と、酒粕は「上喜元(酒田市)」の一番良い大吟醸酒粕を独自にブレンドしています。
焼いている香りも美味しいので、ぜひ焦げないようじっくりゆっくり焼くのがおすすめです。じゅわじゅわ出てくる脂を見ながら一杯呑めますよ^^
ホロッとしたサクラマスの食感と香りに、甘い酒粕と香ばしい味噌の香りが合わさって、これは日本酒が進みます。色々な魚の味噌粕漬を食べてきましたが、これが一番繊細で奥深い味です。ご飯と一緒に食べるよりも、お酒のお供として惜しむように少しずつ味わいたい・・・桜のように儚くて忘れられない美味しさです。