収穫と出荷のタイムラグの理由、ラ・フランス園地で聞きました
ラ・フランスがどんなふうになっているかご存じですか?ラ・フランスの収穫は10月に行われるのですが、出荷開始は11月近く。このタイムラグはなぜ?清川屋のラフランス農家さんの園地の様子とあわせてお知らせします。
たわわに実ったラ・フランス。まもなく収穫開始です
清川屋の農家さん、堀さんの10月上旬のラ・フランス園地です。
美しい平棚仕立ての農園に、たわわに実ったラ・フランス。
生育は順調そう!とのこと。
まもなく収穫が開始になります。
ラ・フランス収穫と出荷のタイムラグはなぜ?
ここで一つラ・フランス豆知識。
ラ・フランスがどんなふうになっているかご存じですか?ラ・フランスの収穫は10月に行われるのですが、出荷開始は11月近く。このタイムラグはなぜ?
それは、ラ・フランスが「追熟(ついじゅく)」が必要な果物だからです!
ラ・フランスは、樹に実っているうちは完熟しない、という特性をもっています。
収穫後は、畑からすぐに2~3度の低温の貯蔵庫に移動し、「予冷」と呼ばれる期間をおきます。
その後、貯蔵庫から出して常温の環境に置くことで「追熟」が進み、ようやく、甘い香りが漂い、とろける果肉のラ・フランスとして美味しく食べられるようになるのです。
このように、時間も手間暇もかかり、繊細な扱いが求められるラ・フランス。「果物の女王」と呼ばれるのも、そういった理由があるのかもしれませんね。
ラ・フランス「予冷」と「追熟」はなぜ必要?
「予冷」をすることで「追熟」が一定にすすむことがわかったのです。「予冷」後のラ・フランスを常温に戻すと一斉に呼吸がはじまりでんぷんが糖に変わる「追熟」がすすみ、甘くなめらかなラ・フランスになるのです。
とはいえ、早く収穫してしまう=追熟が上手にいかなくなる=美味しく食べられないことに。そこで山形県では山形県「ラ・フランス」振興協議会を設置し、果実品質調査を行って収穫期と販売開始基準日を決めています。
令和5年度の「収穫期」と「販売開始基準日」は?
全国の生産量の約8割を占める山形のラ・フランス。産地が一体となって美味しいラ・フランスをお届けしようと取り組んでいます。
令和5年産山形ラ・フランスは果実品質調査の結果を踏まえ、収穫適期は10月12日〜10月21日頃。「販売開始基準日」を前年並みの10月27日と決定しました。ヨード反応指数と果肉硬度に左右されるそうです。