目次
今年は春が早いですね、東京は観測史上最早で桜が開花しました。山形はさすがにまだ開花していませんが、鶴岡公園の開花予想は4/6だそうです。これも例年より5日ほど早い模様です。
さて、春と言えば東根市「鈴木農園」鈴木拓矢さんの作るとちおとめ。先日、2月の終わりに久しぶりに農園にお伺いしました。
さくらんぼ農家さんが作るいちご
鈴木さんは、元は生粋のさくらんぼ農家。清川屋も鈴木さんとはさくらんぼでのお付き合いの方が実は長く、社内で「スズタクさんのさくらんぼ」といえば、間違いない良いものと通じるぐらい、信頼の厚い腕ききの農家さんです。
・・・それがどうしていちごも手掛けることになったのか?
さくらんぼ栽培の最盛期は、収穫や箱詰めにたくさんの人出が必要なのですが、作業的に2~3ヶ月の短期間しか雇えないため、中々人手が集まらないのがどの農家さんも共通の悩みです。鈴木さんも年間を通じて人手を雇えたらな…と考えており、思いついたのが冬も栽培できるいちごなのだとか。
ちなみに山形のいちご生産量は全国33位だそうで、結構なマイナー作物。まして東根市はさくらんぼの産地ど真ん中。ということで初めは「えぇ~山形でいちご?」と風当たりも強かったそうなのですが、鈴木さん持ち前の真面目さと技術力がいちご栽培でも遺憾なく発揮され(「弘法筆を択ばず」とはこのことでしょうか)とうとう苺栽培歴25年。さらに昨年は観光いちご園を別棟で建設してしまったのですから、もう周りも文句なしのいちご名人です。
現在では、11月~5月までいちご、6~7月はさくらんぼ、8~9月は桃、10~11月はラフランス…というように、年間通じて作物を育てることで雇用を維持しています。
9割完熟が美味しさの秘訣
到着した時は、ちょうど箱詰め作業の真っ最中。一般的にいちごは、収穫後も少しずつ赤く色づいていくため、お客様の手元に届くまでの時間も考えて、だいたい全体の7割ぐらいの赤さになったら収穫の目安、と言われています。しかし鈴木さんのいちごは、販売が主に近隣のお菓子屋さんや県内に限られており、お客様の手元に届くのが早いので、全体の9割まで色づいてから収穫するのだそう。
いちごの甘さは、収穫後以降は甘くならないので、ギリギリまで育てたものの方が断然美味しいのです。
とちおとめは、形がいびつになりやすいので、箱詰めする前に、まずは綺麗な形のものとそうでないものを選別します。綺麗なもののうち、小さめのものは近隣の洋菓子店などに卸し、3L以上の大きいものは清川屋用などの贈答用に詰めていきます。ここまできれいなものだと全体の1割ほどしかとれないそうで、かなり希少ですね。
「清川屋の春いちご」は全体のたった1割
こちらが清川屋のいちごを育てている棟。
色づきがまだまだのいちごがたくさんありますね。最盛期は3月半ばだそうで、今はハチがせっせと受粉に励んでいます。今年は雪どけが早いと言っても、山形の2月はまだ冬。温かな時期になれば1日で赤みがつくいちごも、今は気温も低いので色づきがゆっくり進みます。ゆっくり育つ分、甘さの他に味の深みが増すそうです。
「試食してみてください」と渡された大粒のイチゴは甘酸っぱく濃いお味。とってもジューシー!いちごはヘタ側からおしり側に向かって甘くなっていくので、鈴木さんおすすめの食べ方は、ひと口で一気に頬張ると酸味甘味がちょうどいい…とのことですが、さすがに3Lサイズは一口で食べるのは難しいので、ヘタ側から美味しく頂きました。口いっぱいにいちごの果汁がジュワッとあふれて、鼻から抜ける爽やかな香りがなんとも贅沢!
鈴木さんの農園では贈答用は3月中旬から最盛期で、4月下旬には果肉が柔らかくなってくるので、実質のお届け期間は約1ヶ月のみ。いちごは鮮度が命ですので、収穫したその日に出荷します。腕利きさくらんぼ農家が真面目に作った山形のいちご。収穫が楽しみです。
観光いちご園もやってます
こちらが昨年オープンした「150いちごえん」。今年は3月からオープン予定です。以前いちごの収穫体験の受け入れをした時の子供の笑顔が嬉しすぎて、奥様たっての希望で始めたそう。鈴木さん自身は接客が苦手なので、専らここは奥様が担当していらっしゃいます。(清川屋のいちごを育てているところとは別棟になります)バリアフリーなので年齢問わず楽しめますよ。人気ですのでぜひ予約をしていってみてください。