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西洋実桜、聞いたことある?サクラとサクランボの違い
山形県は全国でも栽培面積約7割、生産量シェアは4分の3をしめる日本一のさくらんぼの産地。そんな山形の初夏を代表する味覚であるさくらんぼについて、今回は色々調べてみました♪
春はお花見に出かける方も多いかと思います。そんな春先に私たちの目を楽しませてくれる「桜」ですが、皆様は「サクラとサクランボの違い」はご存知でしょうか。
桜とさくらんぼ、名前はよく似ていますし、さくらんぼは別名で「桜桃」や「桜ん坊」と呼ぶこともある果物。
でも、桜の木にさくらんぼがなっているのは見たこと無いですよね?実際に…桜とさくらんぼも「バラ科サクラ属」であり、広義的には同じ「桜」なんです!
しかし、決定的に違うのはその「種」の種類。
さくらんぼの代表的種である「西洋実桜(セイヨウミザクラ)」は食用種であり
「佐藤錦」「紅秀峰」「紅てまり」など、日本で生食される多くのさくらんぼの品種が由来する種となっております。
そして、私たちがよく見かける桜の木は観賞用に作られたもの。「ソメイヨシノ」などが有名ですね。
観賞用の桜にも、小ぶりではありますがさくらんぼに似た果実がなることがあります。
ですが、その味は酸味と苦みがありとても美味しいものとは言えません><;
さくらんぼの木、開花から収穫までの道のり
観賞用である桜の木と違って食用種であるさくらんぼの木ですが、だからと言って時期になれば勝手に多くのさくらんぼの実を付ける、という訳ではありません!
実はさくらんぼの木は、栽培が難しい上級者向けの果樹でとても有名なんです。中でも、種からさくらんぼの木を育てるのは至難の業らしく、プロのさくらんぼ農園さんでも行っていないという情報も。
他には苗木から方法がありますが、そこからさくらんぼの木を育てるのもまた難しく、果実が実るようになるまでに4~5年かかるのだとか。
木がそこまで育った後も油断は禁物、さくらんぼは長い時間と手間暇をかけ、様々な対策を立てて育て上げられています。
【1月~3月】
伸びすぎた枝や、こみいっている枝を取り除く枝きり作業「剪定(せんてい)」を行います。この剪定作業が、その年のさくらんぼ作りの始まりでもあります。さくらんぼは気温7℃以下の状態に1600時間程度さらさないと正常に生育しないため冬の寒さは重要な気候条件となります!
【4月~5月】
さくらんぼの花が咲くと、農家さんはミツバチなどのハチの巣箱をさくらんぼ畑に数多くおきます。
これは「交配」といって、めしべの先に実を結ばせるために自分と違う品種の花の花粉をつける仕事をハチにしてもらっています。このころの天候がさくらんぼの生育に大きく影響します。
晴れて暖かく風もないときは、 ハチは喜んで花から花へと飛び回りますが、寒かったり雨が降るとハチは飛ばないので、ハチにかわって毛バタキ (水鳥などの羽毛で作ったもの)で花粉をつけなければならないのです。この作業がとても大変で、農家さんは大忙しになります。
また、畑の草をかったりさくらんぼが病気にならないように、消毒もします。
【5月】
梅雨が始まる前にビニールで覆い、屋根をつくります。こうすることで実が割れるのを防ぐ役割があります。雨で実が割れる原因は、目に見えない小さな穴に水が入りこみ、ふくらんでパンクしてしまうからなんです><;
しっかりと受粉できた実はだんだん大きくなってきます。約1ヶ月で緑→黄色→赤色と色づいていきます。この時期ムクドリという鳥がさくらんぼの実を食べにきます。農家さんたちは大事に育てたさくらんぼが食べられないように「網をはる」「鳥がこわがるハヤブサの模型を枝に高いところにつり下げる」「ガス鉄砲を鳴らして驚かす」などの工夫を凝らして、実を守っています。
また、せっかくのさくらんぼなら大きく育てたいもの。さくらんぼ農家さんは、大きくて美味しいさくらんぼを作るためにこの時期に主にやっていることが、実りすぎた果実を敢えて手で取ったりはさみで切ったりする「摘果」という作業です。
この作業をすることで、限られた実に栄養を集中させることが出来ます。
ですが、「摘果」し過ぎてしまっても収穫量が減ってしまいますので、そこはプロの農家さんのバランスを見る力が重要になってきます。
ここまで手間暇かけて育て上げたら、いよいよさくらんぼの収穫です♪
さくらんぼの木1本では実がならない?
以上のようにどんなに手間暇かけても、さくらんぼは1本の木や1品種の木だけでは受粉せず、実がならないというのはご存じですか?
さくらんぼが交配して実を実らせるには同じ品種同士では受粉しないという性質があるんです!これを自家不和合性と呼んでいるそうです(特定の品種では受粉するものもあります。)
雌しべに花粉がつけば、受粉して結実しますが、さくらんぼの場合同じ木の花粉と雌しべでは受粉せず、結実もしないことになるのです。
ですから、畑には主力の品種の木のほかに1~2割ほど別の品種の木(受粉木)を植えるそうです。そうしないと、お互いの品種ともに実の着きが悪くなってしまいます。
その年の天候や畑の環境、お互いの品種の開花の時期が重なるかなど順調に受粉するまでには、さまざまな条件があります!
そして他の品種でも、それぞれに相性があって相性が良いものとそうでないものでは大きな受粉率の差があります。
相性が良いと言われているのは
◇ 佐藤錦 × ナポレオン
◇ 高砂 × ナポレオン
◇ 紅秀峰 × 佐藤錦
などが有名です。
最初にちらっとお話しましたが1種類でも受粉出来る品種は「暖地桜桃」「紅きらり」などがあります。
美味しいさくらんぼを収穫するためには、いろいろな条件がそろっている必要があるんですね^^
庭木に、シンボルツリーにさくらんぼ
上記で紹介した「暖地桜桃」という品種は庭木として植えてもシンボルツリーとして活躍するようです。「暖地桜桃」はほんのり桃色がかった花を咲かせ、小ぶりで甘いさくらんぼの実を付ける品種でもあり、耐寒性、耐暑性にも優れているので、初めて家庭菜園で育てるさくらんぼであれば1番オススメできる品種です♪
それでもやっぱりデリケートなさくらんぼ。農家さんが育てるのと同じように果実は雨に当たると実が割れてしまったり、病気になりやすいリスクもあります。また、甘くて美味しいさくらんぼを狙った鳥や虫の被害にもとても遭いやすいようです。
そのような被害を防ぐためにおススメの家庭栽培方法は「コンテナ栽培」。
大きめの鉢植えやプランターで育てることによって、雨が降ったら雨避けのある軒下に置けますし、鳥や虫を防ぐためのネット張りも簡単にできます。
「暖地桜桃」は1種類でも受粉出来る品種のため人工授粉の必要もなく、元々の実も小ぶりのため摘果もしなくてOK。
プランターから育て上げ、花や果実も楽しめるさくらんぼの木は、お家の雰囲気を演出してくれることは勿論、素敵な思い出に残るシンボルツリーになること間違いナシですね♪
さくらんぼの盆栽もある?
さくらんぼを目で楽しむために、お家で盆栽にする方もいるようです。
盆栽といえばご年配の方向けの趣味・・・というイメージがありますが、昨今ではモダンなインテリアとして人気を集めているとのこと。
庭木と同じく、白い桜の花を咲かせ終わると実がなるので、4月から6月いっぱい観賞用として楽しめるようです。実ったさくらんぼの実は食べることも出来るようですが、あまり美味しくはないもよう^^;
ですが、蕾が膨らみ、上品な白い花を咲かせて散った後、さくらんぼの実が赤く色づいていく姿を間近で見れるのは、観賞用だからこその味わい深さがありますね。落葉した後の冬場は枝ぶりそのものを見て楽しむようです。風流ですね♪
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今回の特集、いかがだったでしょうか。
さくらんぼの品種や育て方について様々紹介させていただきましたが、それにしてもさくらんぼって、育てるのに手間暇がかかりますね(*_*)
そんな農家さんが丹精込めて育て上げているさくらんぼ。春先になると予約受付はいつ?というお問い合わせも多く頂戴します。
清川屋のさくらんぼのご予約受付は例年4月中旬~6月下旬頃まで。定番の「佐藤錦」から最近人気を追い上げてきている「紅秀峰」など、様々な規格が揃ってます!
お世話になったあの人にちょっと早めの御中元、はたまたご自宅用で自分へのご褒美に、清川屋の美味しいさくらんぼをお届けしてみてはいかがでしょうか?
また、清川屋のInstagram、Twitterなどでも、さくらんぼシーズンには生育状況やお役立ち情報を随時アップしています!
清川屋を通してさくらんぼのことを沢山知っていただければ何よりです^^
お客様のさくらんぼについての疑問を一覧にまとめた記事、「清川屋のさくらんぼ よくある質問 Q&A」は清川屋のホームページからチェック!