もっと知りたい「だだちゃ豆」おいしいヒミツを学ぼう

山形に多く残る在来作物。毎年人気の「だだちゃ豆」もそのひとつです。
枝豆に関する研究や全国の在来作物の調査をされている山形大学農学部教授・江頭宏昌先生に、だだちゃ豆の歴史やおいしさのヒミツを伺いました。

人も野菜も個性が魅力!個性派揃いの在来作物

――在来作物は、商業品種に比べて収量が少なくて、姿かたちが不揃いなうえに味や見た目が個性的なものが多いんです。だから、効率や収益性が重要視される時代の中、どんどん失われている。じゃあ、なんで今も育てているのかって聞くと「おいしいから」って答えが多いんですね。故郷の味だから無くしたくないって。

在来作物はそれぞれに物語があって、多様性に富んでいる。人も物も個性が求められる今だからこそ、人を惹きつける魅力を持っていると思うんですね。清川屋さんにもぜひ、在来作物の保全に力を入れてほしいです。

「おいしいだだちゃ豆を食べたい!っていう気持ちで種を選抜して新しい系統を作ってきた。そこが山形・鶴岡のすごいところ」

昔のだだちゃ豆は、7月の終わりと8月下旬に1週間ずつくらいしか食べられなかったんですが、今は20品種以上系統が出来ているんです。しかも収穫時期が少しずつズレてて、2ヶ月以上ずーっと切れ目なく良食味の枝豆が食べられるようになってる。それも、役場とかが先導したわけじゃなくて、個々の農家が、もっと長くおいしいだだちゃ豆を食べたいっていう気持ちで種を選抜して、新しい系統を作ってきた。どんだけ枝豆が好きなんだよっていう(笑)

おそらくこれほど一つの品目で多様な系統が集中して在るっていうのは他にないんじゃないかな。日本全国の在来作物を調べているけど、聞いたことがない。種を採種する文化が今も残っているから、新しい系統が作られ続けている。そこが山形・鶴岡のすごいところだなと思います。

甘い、旨いだけじゃない!実は〇〇が重要

だだちゃ豆系統には共通して、ショ糖(砂糖の主成分)と、甘味・うま味に関わるアミノ酸が一般の枝豆に比べて多く含まれています。糖もアミノ酸もたくさん入っていると、すごくおいしいと感じるんですね。

それから、だだちゃ豆の香り。これが重要なんですね。茹でたとうもろこし等に共通する、いい香り成分をたくさん持ってる。これが甘みや旨みがすごくあるように感じさせると考えています。というのも、だだちゃ豆って本豆の時期が一番香りが強いんです。でも、ショ糖とアミノ酸で見ると、早生・晩生のほうが多い傾向があるんですよね。なんだけど、皆さん本豆が一番おいしいっていうんですよ。
香りが強いから豊かな味になる。もっと食べたいって思わせる秘密はそこにあるんじゃないかと思います。

時期が違えば味も違う 豆の個性を楽しんで

「早生」「本豆」「晩生」って、ただ収穫時期が早い遅いってだけじゃなくて、豆から違うんです。だから、だだちゃ豆シーズンの中でも時期ごとに特徴がある。それぞれの違いを噛みしめながら食べ比べると、鶴岡の枝豆文化を感じてもらえると思うんですよね。これだけの枝豆品種を自分たちで開発しちゃう農家さんたちの観察力と研究熱心さとか。
だだちゃ豆のバックにある歴史とか文化も合わせて、多様性を楽しんでもらいたいですね。

今回お話を伺ったのはこの方

江頭 宏昌(えがしらひろあき)

山形大学農学部教授。専門は植物遺伝資源学。山形県内外の在来作物の研究や保存活動などに積極的に取り組み、2003年から20年にわたり、山形在来作物研究会会長を務めた。


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・・・などなど、知ると奥が深い!だだちゃ豆の豆知識もぜひご覧ください。


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