人気急上昇の蜜たっぷりりんご「こうとく」の果樹園へ〈9/8産地情報〉

ベテランが手掛ける剪定技術で大玉に!?

ネット映えする!?蜜たっぷりの切り口。毎年紹介しても早々に完売する人気の「こうとく」。今回あらためてその果樹園を見せていただくことに。顔も名前も出さなくていいから~、ということで清川屋の農家さんの果樹園レポートです。

複数の果樹園があるのですが、今回見せていただいたのは山形県西村山郡朝日町の果樹園。実はこの農家さん、剪定技術の素晴らしさを見込まれ昨年からここの果樹園の管理を引き継いだのだそう。りんご作りのベテランで、西村山郡のりんご品評会では何度も受賞しています。この農家さんの剪定の成果もあってか、こうとくりんごのサイズが一回り大玉になったそうです。

今年から清川屋の「こうとく」も一回り大きく規格変更に。まだ青い実ですがたしかに大きいかも。

山の上を登っていくと開けた台地。そこに早生ふじ系(極(きわみ)ふじやこうりん)など5~6種類ほどの品種のりんごが栽培されていました。

幼い樹から切り倒された切り株まで、様々なりんごの樹がありました。


面白いのは、一つの樹から2種類の品種が生っている樹が何本かあったこと。「高接ぎ」という農法で、幹から大きく二股に枝分かれするところで別の品種のりんごを接ぐので、左の枝はこうとく、右の枝はふじ、という不思議なことに。2種類の品種を一つの樹に実らせるメリットは特になく、しかもどの枝にどういう品種が生っているか分かりにくいので管理がややこしいみたいです。農家さん曰く「前の人の趣味なんでねえか?」とのこと。

左と右でりんごの品種が違う「高接ぎ」農法。なんだか迫力があります。
引継ぎ後もわかるようにそれぞれの幹に品種名のかかれた札がかかっていました。高徳なんですね。

日本一りんごの町、朝日町

山形県朝日町は、県内では言わずと知れたりんごの名産地。明治時代からりんご栽培をはじめ、昭和の半ばに全国に先駆けて「無袋ふじ」というりんごの栽培方法を確立し、日本一との味の評価を受けた町です。道の駅の建物もりんごの形ですし、温泉にはりんごが浮いているらしい。標高が高く、寒暖差が大きいためりんごの身が引き締まって美味しくなるのだそう。

今年のこうとくりんごの生育状況は?すごく甘いようです

毎日天気がいいので日焼けが多いがすごく甘い、とのこと。雨が降らない方が病気のおそれは少なくなるのですが、今年はベテラン農家さんも経験したことがないぐらいの暑さ、雨のなさでりんごが日焼けしてしまっているそう。(人間の日焼けは黒くなりますが、りんごの日焼けは赤く色づかず黄色っぽくなることを呼ぶのでした。)

りんごの日焼けは人とは逆に色が薄くなるのが不思議。

日焼けに苦労した夏でしたが、春には中心花の霜害で苦労したそう。芽から5~6つが放射状にまとまって咲くりんごの花(これを『花そう』といいます)。 花そうで最初に咲く中心部の花を『中心花』、少し遅れて咲く周りの花を『側花』といい、中心花が実になると中心果となり、細胞のバランスが良く芯が中心にある見た目の良い実に育つそうです。側花→側果は、ややバランスを欠くため歪みやサビが多い実になるそう。中心果と側果に味の違いはほぼないのですが、見た目のよい実づくりが難しいようです。そんな苦労を経てまもなく実りの秋を迎えます。

清川屋スタッフの感想は?

農園を引き継ぐ、ということは前の人の好みや癖も受け継ぐということで、そこには苦労も楽しさもありそうと感じました。耕作放棄地も問題となっている中、引き継がれていることはありがたいことですし、ほしいと思う方がいらっしゃるから続けられるのだと思います。必要な方に情報をお届けできるよう清川屋も情報を発信し続けていきたいと感じました。

またご贈答に喜ばれる、形よく、真っ赤で甘いりんご。当たり前のように出荷していただいていましたが、このような苦労の末に収穫されるものだということも。自然を相手にする難しさ、ご理解いただけましたら幸いです。

顔も名前もいいよ~とのことでしたがたくさんお話していだきました。ありがとうございました!

この記事で紹介した商品はこちら

こうとく

蜜たっぷり!
さっぱりジューシーな秋の恵み
大きいりんごが主流の近頃、可愛らしい小玉サイズが目を引く「こうとく」。
その特徴は驚くほどたっぷりの蜜です。小ぶりな見た目からは想像もつかないほど果肉の全体に蜜が入り、注目されている品種です。

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