<種まき爺さん?>意外と知らない 米作りの現場に行ってきました!

こんにちは。清川屋の和嶋です。
今回は、そろそろ田植えが始まるという情報を受け、【伝説の庄内米】を作ってもらっている米農家の佐藤さんの元へ向かいました。

今年は雪が少なかったことや気温が高かったことにより田植えの時期が例年より早く、山形県の「鳥海山」には田植えの時期に現れる雪形、『種まき爺さん』の姿が……

鳥海山に残る雪形。よく見たらお爺さんとお婆さんに見える…?

~『種まき爺さん』って?~

鳥海山の雪形の一つ。
田植えの時期に現れる雪形で、酒田では春を告げる風物詩として有名。
この雪形が出てくると、田植えの田起こしなどの農作業が本格的に始動するのだとか。

「種まきじいさんではってきたの~(見えてきたね)」
などの会話をすることがあります。

あと、立ち姿に見える雪形を種まき婆さんと呼んでいる。
種まき婆さんは、諸説あり、別の場所の雪形を種まき婆さんと呼ぶこともあり、こちらは人によってとらえ方が違うようです。


さて、考えてみると、米作りってどうしているか知っているようで意外と知らなかったので、田植えをしているのを間近に見るのは初めてです。
日本人の食生活に欠かせない「お米」、改めてどのように作っているのでしょうか。

水を入れて田んぼの土を柔らかくする「代かき」

八十八の手間がかかるから「米」、現代の工程は?

米作りには、八十八の手間がかかると言われますが、機械化が進んだ現代でも、多くの手作業や手間がかかっています。

米作りの工程を大きく分けると、6つの工程に分けられます。

【土づくり】
田んぼに米を植える前に準備をすること。
「田起こし」や田んぼに栄養を与える「田すき」、水を入れて土を柔らかくする「代かき」などです。

【種・苗の準備】
田んぼに苗を植えるために、種から苗までを別の場所で育てます。
よい種もみを選ぶ作業や種もみに病原菌がついている可能性があるのでそれの消毒作業。そのまま水につけて十分に吸水させてそれを苗代にまき、苗を育てていきます。

【田植え】
田植え機で苗を植えていきます。
苗の種類や品種特性などで微妙に植え方が異なるようです。

【管理と除草】
定期的に田んぼを見回り、除草したり、水の管理をします。
病害虫を防ぐための管理もしなくてはなりません。

【追肥と水抜】
生育状況をみながら、必要に応じて、追肥していきます。
また、生育時期により田んぼに水を入れたり、引いたりします。

【収穫と乾燥】
田んぼをしっかり乾いたら、コンバインで刈り取りと脱穀を行い、乾燥をさせます。
収穫が始まっても、すぐには出荷せず、乾燥をさせて、精米後出荷されます。

以上の工程の中で、今回は【田植え】の様子を見に訪ねにいきました。

気になる田んぼの様子は……。

今シーズンの初田植え… 天候はあいにく雨模様です。

取材日は、ちょうど今シーズンの田植え初日。
あいにくの雨模様でした。
「ここ数年田植えの開始日は、決まって天気わりなやの~(悪いんだよね~)」
と農家さん。
それでも、数人で作業を分担しながら手際よく進めていきます。
田植え機に苗をセットして、機械を進めてきます。
田植え機には、苗シートをセット。
一人は田植え機を操作、もう一人は定期的に苗をセットしながら進めていきます。

せっせと苗シートを田植え機にセットする農家さん

往復して帰ってくると、苗シートのトレーをおろし、新しい苗シートをセット。
また、田植えを繰り返していきます。
田植えをしながら、液体の肥料もまいていて、肥料が少なくなると、その肥料も準備して補充します。

苗シートのトレーは、その都度水洗いして、片づけます。
田植え機が通った場所で土ががたがたになった場所は、トンボできれいにならして…
そんな作業の繰り返しです。

今回は、田植え機の後ろに乗せてもらいました。

ウイーンと動き出すと、
素人には、なんだか遊園地のアトラクションに乗ってる感覚でちょっと楽しかったですが、これが仕事で何往復もするかと思うと、大変だなと思いました。
天気がよければ炎天下の中暑いし、雨の日だと雨に打たれながら寒いしと、いくら機械化が進んでいるからとはいえ、体力勝負は変わりないんだなと思いました。

うるち米である「雪若丸」の苗

この日は、もち米の「でわのもち」とうるち米の「雪若丸」の田植えでした。
「苗を見ただけで違いがわかりますか?」と聞いたところ、
「品種によって、苗も違ってでや。雪若丸の特徴はや、苗の丈がみじけなやの(短いんだよね)。」
と教えてくれました。
コシヒカリは大きくなる品種で強風に弱く、雪若丸は強風にも強い品種と言えるそうです。

農家さんの奮闘の日々は続く…

これから順番に「つや姫」「コシヒカリ」も田植えしていくそうで1週間で田植えは終了予定だそうです。生育の状況を聞いてみると
「春先、気温高っげ日があったがら、心配だったけど、苗の生育は順調そうだがら、あどはこれからの天候しだいだの。去年みでに極端に暑い日がねどいちゃ(無いといいな)。」
と言っていました。

今年度も皆さんに美味しいお米をお届け出来るように、
天候に恵まれたまま収穫、そして新米の季節を迎えてほしい…!
と、奮闘する農家さんの背中を見て思うのでした。

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