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2024年、ネット限定100箱で「紅さやか」が新登場しました。
ところでこの「紅さやか」という品種、知っている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。どんなさくらんぼなの?佐藤錦や紅秀峰とはどう違うの?etc…今回は「紅さやか」について詳しくご紹介していきます。
親はさくらんぼの王様・佐藤錦!
県内栽培面積第3位なのに一般知名度低め?「紅さやか」とは
「紅さやか(べにさやか)」は1991年(平成3年)に品種登録された山形生まれのさくらんぼです。さくらんぼの王様・佐藤錦とセネカを交配して誕生した品種で、6月上旬に旬を迎える早生種。全国シェアの9割以上が山形県で栽培されています。
令和3年の農林水産省「特産果樹生産動態等調査」によると、山形県内での品種別栽培面積は佐藤錦(67.6%)、紅秀峰(16.1%)に次いで3番目が紅さやか(4.5%)。清川屋で販売している紅てまり(1.1%)や月山錦(0.2%)と比較しても多いことがわかります。
栽培面積が多いわりには聞き馴染みのない品種だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはず。紅さやかは佐藤錦の受粉樹の役目で植えられるパターンが多く、生食用として栽培する品種ではないのだそう。収穫時期が早いので、“露地栽培さくらんぼの初物”として市場に出ては来るものの、佐藤錦や紅秀峰と比較すると出回る量が少なこともあり、一般的にはあまり知られていないのです。
(紅さやかの収穫時期=6月上旬は、佐藤錦の収穫直前。主力品種である佐藤錦のほうに手をかける農家さんが多く、「紅さやかは実っても収穫しない(手が回らない)」なんて農家さんも珍しくないのだとか・・)
》「さくらんぼは1本では実が生らない!?」ブログ記事もぜひご覧ください
あれ?確か紅秀峰も佐藤錦の受粉樹だったよね。
紅秀峰は広く販売されているのに、紅さやかはあまり見かけないのはなぜ?
確かに同じ佐藤錦の受粉樹として植えられている紅秀峰は、“ポスト佐藤錦”とも称されるくらい知名度があり、食味の良さから人気も高い品種です。
ではなぜ紅さやかは一般的な知名度が低いのでしょうか?
農家さん側の事情(紅さやかの収穫まで手が回らない)もありますが、もう一つ、紅さやかならではの理由があるのです。
紅さやかは「赤くてすっぱい」!
紅さやかの特徴は「色づきがよく」「酸味が強い」こと。
色付きは紅秀峰・紅てまりも良いとされますし、酸味は佐藤錦もあるといわれますが…紅さやかはどちらも群を抜いているんです…!
〈特徴①〉まるでアメリカンチェリー!色づき◎のさくらんぼ
紅さやかはとても色づきのよい品種です。果皮は朱紅色ですが、完熟するまで樹上に生らせておくと黒紫色の果皮になります。果皮だけでなく果実まで赤く染まるのも特徴です。
また、一般的に早生品種は小粒のものが多い傾向にありますが、紅さやかは早生品種の中では比較的大きめ。見た目も立派です。
濃い色合いとしっかりとした粒から、アメリカンチェリーのようと表現されることもあるんですよ。
〈特徴②〉しっかり強めの酸味でハッとする味わい
もう一つが「酸味が強い」という食味の特徴。これが同じ受粉樹でも紅秀峰と大きく異なる点かもしれません。
佐藤錦や紅秀峰、紅てまりといった生食で甘さを感じるさくらんぼとは異なり、紅さやかは酸味をしっかりと感じる食味です。端的に表現するなら「すっぱい」!
生食で食べるにはちょっぴり刺激のある味わいです。
紅さやかも熟すと甘い、と表現されることもありますが、佐藤錦や紅秀峰と比較するとやはり酸味が強め。(甘い完熟さくらんぼをメインに販売している清川屋としては、生食は正直あまりおすすめできません…)
市場に出回るさくらんぼは生食として消費されるものが多く、そういった意味では酸味の強い紅さやかを見かける機会は少ないといえます。
けれどそんな紅さやかも食べ方次第で持ち味を生かすことができるんです。
お料理・お菓子作りetc…手を加えるなら「紅さやか」が最適!
色づきが良く酸味の強い紅さやか。生食にするには少々刺激が強いですが、このしっかりとした酸味がお料理やお菓子作りの素材には最適!
酸味があることで砂糖を加えて加工しても味がぼやけず、深みのある味わいに。しっかりした味なのでさくらんぼ特有の“甘酸っぱさ”を感じる仕上がりになるんです。
また、色づきのよい紅さやかは加工してもきれいに発色するのもポイント。人工着色料などを加えずに、鮮やかな赤色が表現できるのは嬉しいですよね☺
ジャムやフルーツソースのほか、果実酒にしてもきれいな色合いを楽しめますので、ぜひお試しいただきたいです。
〈ちょっとブレイク〉「紅さやか」ってどんな感じ?
食べたことのあるスタッフに感想を聞きました
紅さやかは「爽やかな酸味」というより「しっかりとした酸味」のある品種です。
正直、佐藤錦や紅秀峰のような “酸味と甘味のバランスがとれている食味” ではないので、個人的には生では食べないですね…
加工する場合はこの酸味が逆にメリットになりますね。色が濃いので発色もよいですし、加工用としては主力品種なのでぜひ素材のひとつとして使っていただきたいです。
「試しに食べてみる?」と頂いた紅さやか。さぞ甘いだろうと期待して食べたためか、その酸味にびっくり!こんなに赤いのにこんなにすっぱいなんて!と、パンチのある味に驚いたのを覚えています。
後に加工用に使うのがメジャーと知り、なるほどそういう品種だったのかと合点がいきました。あの酸味と鮮やかな色、確かにお菓子作りには最適かもしれませんね。
作ってみよう!紅さやかのアレンジレシピ
定番のさくらんぼジャムやシロップのほか、カルピス漬けや冷製パスタまで…
清川屋ではさくらんぼを使った様々なアレンジレシピを公開しています。
》「作ってみようさくらんぼレシピ7選」はこちら
》クッキーやビスケットで代用OK!クリームチーズサンドもおすすめです
ここでは王道のさくらんぼジャムのレシピをご紹介します。紅さやかで作ると適度な酸味がクセになる、鮮やかなジャムに仕上がりますよ♪
紅さやかのさくらんぼジャム
材料・準備するもの
- 紅さやか 230g(約35粒分)
- 砂糖 60g
- レモン汁 小さじ1~2
作り方
- さくらんぼの軸(茎)を取り除き、水洗いします
耐熱用ボウルにさくらんぼ、砂糖、レモン汁を入れて軽く混ぜます - ボウルにふんわりとラップをかけ、電子レンジで1分間(600W)加熱します
- 電子レンジから取り出し、へらで混ぜます
さくらんぼがやわらかくなるまで6回ほど繰り返し加熱して混ぜます - ボウルの上にザルをのせ、さくらんぼを2つに切るように混ぜ、種を取り除きます
- 種を取り除いたら、ザルでこし、果肉をお好みの大きさにします
ごろごろジャムがお好きな方は少し粗めにするのがおすすめです - 軽く混ぜて、完成です
とろみが足りない方は再度加熱してみてください♪
〈100箱限定〉紅さやかでさくらんぼ料理を楽しんでみませんか
2024年新登場の「紅さやか」。たっぷり1kgありますので、ジャムを作ったりケーキにしたりと、様々なさくらんぼレシピに挑戦していただけるのが魅力です。
酸味があるからこそ出せる、アレンジしたときの深みのある味わいをぜひお試しください!